ポスター、挿絵… 和田誠、多彩な作品集
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イラストレーターでグラフィックデザイナーの和田誠(75)の多彩な作品をまとめた出版が相次いでいる。書籍と映画の仕事に焦点を絞った展覧会も開催中だ。
先頃、愛育社から刊行されたのは、ポスター、挿絵、レコードジャケットなど約1千点のカラー作品を集めた『Coloring in Wadaland』 (4725円)。カラーインク、色鉛筆、グァッシュなど画材ごとに編集されている。昨年、同社から出たモノクロ作品集『Black&White in Wadaland』(3990円)の姉妹編。2冊で和田作品の全容が一望できる。
1960年代に和田が自費出版した絵本7冊を復刻したのが『和田誠 私家版絵本ボックス』(復刊ドットコム、1万8900円)。文は高橋睦郎、今江祥 智、川路重之、星新一、谷川俊太郎ら。楽しみながら数百部の絵本を出していた新人時代の思い出をつづったエッセーも収録されている。
東京・世田谷文学館は「和田誠展 書物と映画」を9月25日まで開催。井上ひさし、谷川俊太郎、丸谷才一、村上春樹との仕事を中心に、装丁した本や挿 絵、絵本原画などを展示。和田が監督した映画の絵コンテや小道具デザイン、シナリオ原稿などと合わせて約800点が展示されている。電話03・5374・ 9111(同館)。(山口宏子)
・会期 | 2011年7月30日(土)~9月25日(日) |
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・休館日 | 毎週月曜日(ただし9月19日は開館、翌20日休館) |
・料金 | 一般700(560)円、高校・大学500(400)円、
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・交通案内 | 詳細情報はこちら |
書物にかかわる創作では、こまつ座のポスターなどで縁の深い井上ひさしさん、これまでに数多くの絵本を共に制作している谷川俊太郎さん、装丁の仕事の中で も特に多くの作品を手がけている丸谷才一さん、「村上春樹翻訳ライブラリー」などの装丁の他、『ポートレイト・イン・ジャズ』では共作もしている村上春樹 さん、以上4名の作家との仕事を大きく取りあげ、ポスター、挿絵・絵本原画、装丁版下等を展示紹介します。
また、映画にかかわる創作では、『麻雀放浪記』『快盗ルビイ』『怖がる人々』『真夜中まで』など、自ら監督した映画のシナリオ原稿、書き込み台本、絵コン テなどの資料の他、「キネマ旬報」に連載されていた名作エッセイ「お楽しみはこれからだ」や、LDジャケット等のために描いた、映画にまつわるイラスト レーションを展示紹介します。
和田さんは装丁を「著者と読者をつなぐ橋渡しの役目」としたうえで、「その本の味わいを読者に伝えたい。本好きな人なら書かれている内容だけでなく、中身 も外見もひっくるめて本全体に愛着を持つでしょう。そのことを大切にしたいと思うんです。」*と語っています。書物への深い愛着に根ざした、私たちの読書 体験をより豊かにしてくれる和田さんの創作の数々、また同様に、映画に対する深い愛着に根ざした仕事の数々をお楽しみください。本展が鑑賞者の皆様にとり まして、書物と映画への新たな扉となることを願っています。
井上ひさし「イソップ株式会社」挿絵
谷川俊太郎 絵本「もりのくまとテディベア」挿絵
丸谷才一「猫のつもりが虎」挿絵
村上春樹「村上ソングズ」表紙絵
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