平城京事典完成 - 暮らしや研究法解説
2011年1月11日 奈良新聞
| 奈良文化財研究所が総力を挙げて編集した「図説 平城京事典」が完成した。図版をふんだんに盛り込み、平城京の暮らし から考古学的な研究法まで学際的に解説。井上和人副所長は「平城京研究の最高水準。分かりやすい記述を心がけ、幅広く活用してもらえるようにした」と話し ている。 全4部で構成され、平城京へのアプローチ▽平城京の世界▽平城京の未来に向けて▽平城京の研究法―でB5判600ページ。 「平城京の世界」では、京内を碁盤目状に区切っていた道路の規格や宮殿での儀式、京内に点在した大寺院など、知りたい内容に応じて項目別に調べられる。 江戸時代末の北浦定政に始まる平城京研究の歴史などを「平城京の未来に向けて」で解説。同研究所がこれまで取り組んできた木簡などの研究成果を「平城京の研究法」に収めた。木製遺物の年輪年代学にも1章を設けた。 平城京の学問的な研究は江戸時代末に始まり、昭和34年から奈良文化財研究所が発掘調査を続けてきた。調査面積は約100ヘクタールを超える。 |
----
平城宮・平城京の研究業績を奈良文化財研究所(奈良市)がまとめた「図説 平城京事典」(柊風舎)が出版された。遷都1300年を記念した、平城宮・京に関する初の総合事典だ。
奈良盆地南部の藤原京(奈良県橿原市)から北端の平城京へ都がうつされたのは710年。宮都の発掘は大正年間に中枢部分から始まり、昭和30年代から本 格的な調査が進んだ。これまで100ヘクタール以上が発掘されている。こうした150年を超える平城京研究の最新成果を専門用語をできるだけ避け、人名・ 地名などにルビを振るなどわかりやすく紹介する。必要な項目だけではなく、奈良時代の歴史全般がわかる読み物として構成されている。
執筆は同研究所のほか、同県教委、奈良市教委、県立橿原考古学研究所、元興寺文化財研究所などの研究者らが約650項目を担当。カラー・モノクロ図版は500点を超える。巻末には約1400項目の索引と年表を付けた。
田辺征夫奈文研所長は「この半世紀の発掘で進展した新知見を極力採り入れ、研究の最前線を世に示せる内容になった」と話している。
1万5750円(税込み)。問い合わせは柊風舎(03・5337・3299)へ。(大脇和明)
沒有留言:
張貼留言
注意:只有此網誌的成員可以留言。